「ロータリー」ならびに「ロータリーの友」について感じたこと、建設的な意見、疑問・質問、問題提起など。また、本欄に掲載の意見・質問に対する、回答・意見など。

                 
   
 日本人学生にも米山記念奨学金を

小野田 
松 本   昇
 
 

 『友』2010年12月号本欄の、米山記念奨学金の支給対象を日本人学生にも拡大せよ、との記事に、私は大賛成である。
 『友』2010年10月号の米山記念奨学会資料によると、国・地域別累計奨学生割合の上位は、中国、韓国、台湾である。この三国は立派に経済成長を遂げ、米山記念奨学金制度が発足した当時とは随分事情が変わっている。
 2007年10月号、米山記念奨学会新旧理事長の対談にも「米山奨学生の中でも中国籍の割合が47%」に及んでいる、とある。なぜそのような偏りが生じたのか、早急に検討すべきであろう。
 また、寄付金の減少は会員数の減少が大きな要因と挙げているが、私はそれだけではないと思う。われわれが拠出した奨学金で、どのような人が勉学、研究に専念し、学業・研究を終えた後、奨学事業が意図したような成果になったかどうかが見えにくい。
 『友』の「よねやまだより」には成功例だけが記載されるが、実態はどうなのだろう。特別寄付金を増やすには、成果が実感できるような支給制度にすべきである。
 その一つの方策が、日本人学生にも奨学金の支給枠を設けることである。不況のために、教育・研究機閑は危機的状態に直面している。その上、仕分け人とやらの「二番ではいけないのですか」という暴言を聞くと、科学立国・日本の将来が心配される。
 学生の経済状態も深刻である。アメリカへの留学生が激減したという理由は、単に卒業後の就職難だけではなかろう。米山記念奨学金で留学、あるいは国内の大学で研究に専念した人たちの中から将来、ノーベル賞に輝く人材が育つと想像すれば、寄付に対するモチベーションも高まるであろう。米山記念奨学会理事の皆さまに、ぜひ日本人支給枠新設の検討をお願いする。
(第2710地区 山口県 内科医)

ロータリーの友 2011年2月号より